2001年2月12日

絶望的な、あまりに絶望的な

 言うまでもないことだが、映画とは光の芸術である。光を切り取った芸術である。同じように写真も、光をレンズとフィルム(フィルムという概念は駆逐されようとしているが)によって捉えるものだが、映画と写真の決定的にして絶対的な違いは、動きにある。写真はそこに留まり、映画は動いてゆく。留まることを知らない。まるで人生のように。
 心魅かれるシーケンスに立ち会った瞬間、我々の気持ちは動揺する。美しいシーンを観た瞬間、我々のエモーションはときめく。だけど映画は立ち止まらない。我々の心を置き去りにして、先のほうへ、もっと先の方へと進んでゆく。まるで『不思議の国のアリス』におけるアリスのように、待ち受ける場所にはもう次への導きがなされているのだ。やれやれ、それが映画の魔力なのだ。

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